わざわざリターンの低いオルカン(オールカントリーに分散した投資信託)を選ぶ必要はありません。最近投資や資産運用を始めた人のなかには、オルカンとS&P500どちらにしよう、またはどちらも購入した方がいいのか迷う人もいると思いますが、わざわざリターンの低いオルカンを選ぶ必要はなくS&P500一本で十分です。
そもそも投資初心者においては投資をする理由がお金を増やしたいからであることをしっかり意識しなければいけません。そのため、お金を増やしたいのにも関わらずリターンの低いオルカンを選ぶのではなく、リターンの高いS&P500を選ぶ方が賢明だと言えます。
オルカンの内容としては米国株が60%以上含まれており、上位銘柄はマイクロソフト、アップル、エヌビディアなど米国を代表する銘柄、残りがその他の外国株式です。つまりオルカンの投資信託またはETFの性質としては米国株式の動きに近く、その他の外国の値動きが足を引っ張っていると言えます。
上のチャートはマネックス証券の記事から借りたものですが、オルカンとS&P500を比較したチャートです。(出所:オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)とは?初心者におすすめの投資手法を紹介)このチャート見れば一目瞭然ですが、S&P500の方がリターンが高いです。
ではなぜ投資初心者に限ってオルカンを選ぶのでしょうか。それは幅広く分散した方が安心だと考えるためです。しかしながら似た性質をもつ投資信託を両方買っても全く分散にはならず、単純にリターンを下げているだけです。また、NISAを開設し投資信託のランキングを見ると一位S&P500、二位オルカンなどと並んでいるため、とりあえずみんな買ってるから両方買っておけば分散になると考えるのです。
しかしながら前述したとおり、S&P500の方がリターンが高いのであればシンプルに足を引っ張るオルカンを持つ必要がないと言えます。どうしても分散させたいのであれば、S&P500とは違う値動きの性質を持つ銘柄に投資することです。例えばディフェンシブセクター、配当貴族指数に連動するETF、金、国債などがそれです。ただ銘柄数を増やすのは分散とは言えず、値動きの性質を考えて分散する方が上手な投資です。
とはいえ、何から始めて良いか分からない場合、とりあえず米国の最も重要な指数の一つであるS&P500を保有することは米国の優良企業500社に投資をしていることと同じなので、これから始める人にもおすすめです。また、上手に持てば個別株の方が圧倒的にリターンが高いですが、何があっても絶対手放さない自身のある銘柄を選び抜き長期で持ち続けるのは投資初心者にには難しいでしょう。そういったことから、投資初心者で最近始めた人はまずS&P500一本でも十分だと言えます。