米国株 下落暴落に強いディフェンシブ銘柄 vs S&P500 どっちがおすすめか

米国株 下落暴落に強いディフェンシブ銘柄vsS&P500 どっちがおすすめか

米国株投資を勉強していくと、大きな含み益と伸びを狙えるハイテク、グロース銘柄(情報技術セクターなど)、そしてそのヘッジとしてディフェンシブ銘柄の保有を考えるパターンもあると思いますが、下落に強いディフェンシブ銘柄を同時に保有するのは果たして正解なのかどうか考える場面も出てきます。

米国株のなかには、下落、暴落局面に強いディフェンシブ銘柄、セクターがあり、強気相場のときは伸びにくく、下落暴落局面では下げにくい特性があります。例えば生活必需品セクター、公益事業セクター、ヘルスケアセクターなどです。

リーマンショックを例に挙げると、生活必需品、ヘルスケア、公益セクターは30%台の下落でしたが、情報技術-50.58%、一般消費財-57.11%、素材-58.18%、資本財-58.20%、エネルギー-68.17%、不動産-69.68%、金融-74.04%と、景気に敏感な銘柄ほどボコボコに売られて下落しました。

現在の自分の考え的には、右肩上がりが続くと思うのであれば伸びる銘柄を重視、超長期での保有が前提であればディフェンシブセクターの増配銘柄を含んで保有するのがいいと思っています。

というのも過去10年を振り替えれば、そもそも伸びて含み益があった銘柄が下がったとしてもディフェンシブ銘柄のリターンまでは下がりませんでした。例えば下の図はS&P500、S&P500配当貴族指数、S&P500生活必需品セクターの直近10年間のトータルリターンの比較です。

この図を見てわかることは、S&P500が大きく上昇していたので、調整局面で下落したとしてもボトムまでは下がり切っていないということです。攻撃は最大の防御といったところです。従って下落局面に強い銘柄をヘッジで持ったとしても、大きく上昇する銘柄を持っている方がそもそもヘッジになっていたということです。

また、以下の図も同じで、2010年からのナスダック指数、S&P500指数、ヘルスケアセクターVHT、生活必需品セクターVDCの比較ですが、結果としては調整があったとしてもナスダックを持ち続けてることが最もリターンが高かったです。

2010年からのナスダック指数、S&P500指数、ヘルスケアセクターVHT、生活必需品セクターVDCの比較

 

■超長期で配当貴族を保有した場合
しかしなら超長期で保有する場合は話が違ってきます。
例えば以下は配当貴族指数のうち10銘柄を配当再投資して1990年から2020年まで保有していた場合です。※2025年現在MMMは減配となっています。

配当貴族指数10銘柄を配当再投資して1990年から2020年まで保有していた場合

結果、配当貴族10銘柄のポートフォリオ(青)は、市場平均であるS&P500を大幅に上回って来ました。このようにして連続増配銘柄が市場平均を上回る理由としては、配当再投資による元本の増加と緩やかな右肩上がりの株価から生まれる複利の効果によるものだからです。

したがって言えることは、大きな成長が銘柄見込める銘柄と、緩やかだけど右肩上がりな連続増配銘柄を超長期で保有し続ければとんでもないマネーマシンが出来上がり、莫大なリターンが得られると考えられます。

とはいえ、何があっても絶対に手放さない自身のある銘柄を選び抜き長期で保有することは簡単ではありません。大事なのは自分が納得できるごく一握りの優良銘柄を選び抜き保有してイチイチ気にしないでたまの追加投資と配当の再投資をしながら寝てることです。また、チャートが右肩上がりなのは非常に重要です。特におすすめなのは自分の生活に馴染みのある銘柄です。例えばコカ・コーラ、マスターカード、P&G、アマゾン、アップルなどです。

ちなみに過去に自分も何回も買ったり売ったりを繰り返した経験があります。またETFの場合個別と違って倒産暴落塩漬けのリスクがないので、セクター別のETFをうまく組み合わせることをおすすめします。