小野です。
米国株を購入するタイミングについてです。
米国株を始めようと思っていたり、これから取引する人の中には、米国株を購入するタイミングを見計らった方がいいのかどうか、知りたい人もいると思います。
最初に言っておくと、いくらタイミングを見計らっても相場は思惑通りに動きませんので、買い時を判断しようとしても難しいです。
本記事では、米国株を購入するタイミングについて書きましたので、参考にしてください。
米国株を購入するタイミングは無視していい理由3つ
では早速ですが、結論からすると、
米国株を購入するタイミングは気にしなくて大丈夫です。
つまり、相場を見て「上がりそうだ」「下がりそうだ」などといったタイミングを見計らっての購入はしなくて大丈夫です。
その理由としては、以下の3つが挙げられます。
理由
- 相場は思惑通りに動かない
- タイミングよりも早く始める方がリターン大
- 平均値で落ち着く
こういった感じです。
目先の株価が上がるか下がるかを見計らってタイミングを読むよりも、現在のまずまずの相場の価格で購入する方がよっぽどいいです。
では解説します。
1. 相場は思惑通りに動かない
まず基本的に、短期的に相場が上がるか下がるかが誰にも分からないので、米国株を購入しようと思っている人は、タイミングを計ろうとする必要はありません。
相場が上がるか下がるかを完璧に言い当てられる人はこの地球上に存在しないので、いくら予想してもムダなのです。
もちろん長期的な面では米国市場が成長しようと思っているから参加するわけですが、短期的に予想してもミスターマーケットに振り回されます。
1-1. ある銘柄の例
↓例えば、以下はある銘柄のチャートです。
このようにリーマンショック後に最高値を更新し続けているこの銘柄は、2012年時点でも最高値付近にあります。
これを見てどう思うでしょうか。
多くの人はこの時点では、
「こんなスッ高値なんだからそろそろ暴落するから待とう」
「こんな最高値の割高で購入するなんて素人だ!」
そう思うと思います。
↓その後、この銘柄はこうなりました。
そう、この銘柄はアップル(AAPL)です。
アップルは、誰もがいつ何時も「高すぎる、高すぎる」と言い続けるものの、その予想は当たらずに最高値を更新し続けました。
つまり、株価が高いか、相場が下がるかを予想してもハッキリ言ってそれは当たらないので意味ないのです。
また、アップルで言えば調整局面が来るまで3年くらい待たないと株価が下がって来ませんので、「下がりそう、上がりそう」などと素人丸出しの予想をしても、ただただ爆騰するアップルのチャートをヨダレを垂らしながら見送る羽目になります。
このような、購入のタイミングを計っても当たりませんので、現在の相場が適正価格だと考えて購入する方がよっぽど上手です。
2. タイミングよりも早く始める
米国市場では、タイミングを見計らうよりも、早く始める方がよっぽどリターンは大きいです。
↓例えば、以下の銘柄のポートフォリオを
- リーマンショック前
- リーマンショック後
から保有していた場合どうなったかを見てみます。
Ticker | Name | Allocation |
MCD | McDonald’s Corporation | 20.00% |
KO | Coca-Cola Company | 20.00% |
NEE | NextEra Energy, Inc. | 20.00% |
JNJ | Johnson & Johnson | 20.00% |
PG | Procter & Gamble Company | 20.00% |
2-1. リーマンショック前
↓上記の5銘柄をリーマンショック前2005年から保有して、いかなる場合も配当再投資を続けたチャートは以下になります。
このように、市場平均であるS&P500を大幅に上回り、最初に投資した10,000ドルは現在までで55,551ドル(+455%)となっています。
2-2. リーマンショック後
一方で、リーマンショック後に始めた場合はどうでしょうか。
リーマンショック後にS&P500が最高値に戻ったのは2013年4月なので、そこまで待って始めた場合です。
結果としては、現在までで最初の10,000ドルは、25,760ドル(+157%)となりました。
このように、リーマンショックや調整局面などでは多くの人などがタイミングを見て「もうだめだ」、「少しタイミングを見よう」などど思うかもしれません。
しかし、結果的には早く始めて保有し続けた場合が最もリターンがいいので、タイミングを見計らって購入するよりも、早く始める方がよっぽどいいと分かります。
3. 平均値で落ち着く
タイミングを見計らって米国株を購入しようと思っても、長期で配当を再投資したり、買い増しをしていくのであれば、購入した価格は結局は平均値に落ち着きます。
例えば、以下のグラフは購入タイミングと平均値の関係を表したグラフです。
このグラフを見て分かるように、タイミングを計った購入をせずに、毎月など定期的に購入をする場合は、結局は平均値に落ち着きます。
相場が上がるか上がるかを予想して、相場が大きく下がったタイミングだけで購入することは不可能なので、いくらそれを頑張っても結局は平均値で買うことになります。
もちろん、一回しか資金を投入しない人は購入のタイミングが気になるかもしれません。
しかし、長期で保有して配当を再投資しながら、定期的に買い増しをする人は長期的に見ればそこまでパフォーマンスに影響はないので、あまり神経質にタイミングを見計らう必要はないことが分かります。
購入のタイミングでは細かいバリュエーションも気にしない
米国株の購入をするときは、あまり細かいバリュエーションは気にしすぎなくて大丈夫です。
なぜかというと、細かい数字ばかり気にして投資を見送っていると、機会損失を被るからです。
例えば以下になります。
- PERを気にしない
- 相場は常に正しい
こういったことを考えるようにするといいです。
1. PERは気にしない
これから米国株の購入を考えていたりする人の中には、PERなどをやたらと気にする人もいると思います。
しかし、結論からするとPERなどはシカトで大丈夫です。
例えば、教科書通りに学んだ人はPERの適性は15~20倍だと考えると思います。
米国株で日用品世界最大手の優良銘柄でプロクター・アンド・ギャンブル(PG)のPERは現在約61.9倍なので、普通に考えたらかなり高いので割高だと考えると思います。
↓株価はこんな感じです。
しかし、そのような場合、株価が下がってくるまで待つのはザコすぎる考えだということです。
なぜかというと、優良銘柄の場合は常に買いたい人がいるため、そこまで株価が下がってくるまで待つ人は誰もいないですし、予想通りに株価がそこまで下がることはまず考えられません。
それが本質です。
なので、細かい数字ばかりを気にして見送るよりは、現在が適正だと考える方いがいいです。
1-2. アマゾンの例
あと、PERなどを気にしても、アナタが相場で勝てるわけではありません。
例えば、2014年時点でのアマゾンのPERは650倍でした。誰もが高いと考えるはずです。
しかし、そこから更に株価は更に何倍にも伸びました。ちなみに、2014年からだと+475%です。
そして、現在PERは109倍となっています。
つまり、アマゾンの株価は上昇しているけど、EPSが上がってきたのでPERが下がってきて、言葉で言うと割安方面に行っています。
要は、このようにPERばかりを気にしていても、EPSや業績次第で変わるので将来は分からないということです。
割高だと思っていても、普通方面に向かっていくこともあるのです。
2. 相場は常に正しい
効率的市場仮説を考えれば、現在の市場の価格は常に正しいです。
つまり、市場の株価は既にすべてのことを織り込んでいて、現在の価格になっているということです。
なので、いくら現在の株価は割高だと考えたとしても、それはすべてを織り込んでいるので、ある程度適正だと考えるのが効率が良いです。
でないと、何度も言いますが相場は思惑通りに動きませんので機会損失になります。
なので、いつまでも「割高だ~、割高だ~」と念仏を唱えているよりも、現在価格でサクッと買い始めて、長期で積立、配当を再投資して保有していればいいのです。
いつまでも「割高だ、まだ早い」などと言い訳ばかりする人は、
典型的な「何でも否定バイアス」にかかっており、いつまでも資産運用を始めないザコの特徴です。
あわせて読みたい記事