1. 米国株|円高と円安とは?
- 円高(ドル安):円の価値が上がること
- 円安(ドル高):円の価値が下がること
円高、円安とは、円の価値がドルに対して高いか安いかの目安のことです。
1-1. 円高・円安の例
(円高)
現在1ドル100円だとして、翌日1ドル90円になった場合は、円高です。
最初は1ドル買うのに100円必要だったのに、翌日は1ドル買うのに90円しか必要なくなったということです。つまり、円の価値が高くなったことになります。
(円安)
現在1ドル100円だとして、翌日1ドル110円になったら円安になります。
最初は1ドル買うのに100円必要だったのに、翌日は1ドル買うのに110円必要になったということです。つまり、円の価値が安くなったことになります。
1-2. ドル円のチャート
以下は実際のドル円チャートです。
実際のドル円チャートでは、現在1ドル買うのに何円必要かが表示されています。
チャートの現在価格が107円であれば、1ドル買うのに107円必要だということです。
※ドル円チャートはドルの動きを見ています。
(円安)
チャートが上がれば、1ドル買うのに必要な円が増えるので、円安ドル高になります。
(円高)
逆にチャートが下がれば、1ドル買うのに必要な円が少なくなるので、円高ドル安になります。
このようにして、シンプルに覚えればとても簡単です。難しく考える必要は全くありません。
↓ちなみに、2018年からのドル円相場平均は109.33円です。つまり現在が107円だとすると、直近2年間と比べて割安だと言えます。
2. 米国株購入前と購入後の円高円安
米国株の購入前と購入後は、円高円安どちらがいいのでしょうか?
- 購入前:円高(ドル安)が有利
- 購入後:円安(ドル高)が有利
結論からすると、購入前は円高が有利で、購入後は円安が有利です。
2-1. 購入前
米国株の購入前は、1ドル100円よりも、1ドル85円(円高)の方が、同じ金額を使う場合多くの株数を買うことができます。
つまり、1ドル100円で100万円ドル転すると10,000ドルになります。
しかし、1ドル85円(円高)であれば、100万円ドル転すると11,764ドルです。
その結果、購入予定の銘柄も多く買えることになります。
したがって、円高のときにドル転してから米国株を買った方が、資金が大きくなるので有利だと言えます。
2-2. 購入後
購入後は、購入前とは逆に円安(ドル高)になった方が嬉しいです。
理由としては単純で、ドル転した後は既にドルを保有しているので、ドルの価値が上がれば資産額が増えるからです。
ドル円チャートで言えば、購入後はチャートが上がってほしいわけです。
逆に言えば、購入前と同じで円高ドル安に進み続けると、ドルに換えた資産が減り続けることになります。
2-3. 購入のタイミング
購入前、購入後について、いくら理想を唱えても相場は思惑通りに動きません。また、現在が円高円安の転換点なのかを判断するのは不可能です。
したがって、一度にドル転、購入せず数回に分けて購入するのが基本です。
数回に分けることによって時間的分散が効き、平均値でドル転したり購入したりすることができます。
また、長期運用する場合には、タイミングを見計らっても結果的なパフォーマンスにはそこまで影響しません。
前述した通り、現在が相場の底か高値かを当てることは誰にもできません。相場のタイミングを見計らうよりも、相場と同じ平均値に落ち着かせる方がよっぽど効率良いです。
円高円安のタイミングはある程度無視して大丈夫です。数回に分けて購入することで、結局は平均値に落ち着きます。
参考
3. 円高円安による株式相場への影響
円高円安による株式相場への影響はあるのでしょうか。
基本的に円高円安は、米国株全体にはそこまで影響しません。
米国個別の輸出入企業の場合はある程度影響を受けますが、米国株式市場全体ではあまり影響はないといった感じです。
一方で、日本株は大きく円高円安の影響を受けます。
3-1. 日本株への影響
- 円高:日経平均下がりやすい
- 円安:日経平均上がりやすい
(円高)
円高だと、海外から見た日本の製品が割高となるので売れにくくなります。その結果、日本の輸出企業の株価が下がりやすい傾向があります。
(円安)
一方で、円安だと海外から見た日本の製品が割安となるので売れやすく、その結果日本の輸出企業の株価が上がりやすい傾向があります。
なぜ日本株がそこまで大きく円高円安の影響を大きく受けるかと言うと、日本の輸出事業全体のうち、東証一部上場企業の割合が90%近くあるからです。
日本の主要産業である「自動車、電子機器、工作機械、鉄鋼、非鉄金属、船舶、化学品、繊維製品 」は輸出、輸入をします。
そのときに、円高になっていると海外から見た日本の製品が割高なため、資金流入が減り、その結果日本企業の株価が下がります。
このようなことから、輸出事業の多い日経平均は大きく円高円安の影響を受けます。
4. 円高、円安になる要因(日本と米国)
一般的に、円高円安になる要因は以下の通りです。これが全てではありませんが、例を挙げれば以下の要因が考えられます。
円安ドル高になる要因
- 日本の貿易支出が赤字になる
- 日本の景気が微妙
- アメリカの方が高金利
- 原油価格が上がる
- 日経平均が下がる(円売り)
円高ドル安になる要因
- 日本の貿易支出が黒字になる
- 日本の景気がいい
- 日本の方が高金利
- 日経平均が上がる(円買い)
4-1. 円高と円安での投資判断
米国株で長期投資をするのであれば、円高円安をあまり神経質に考えない方がいいです。
なぜならば、長期投資では一回買って終わりではなく、配当を再投資して運用するからです。長期運用していると、高いときも安いときも複数回買うので、最終的にインデックスと同じ平均値に落ち着きます。
また、「円高でしか買わない」といっても、いつが大底の円高かを当てることは誰にもできません。その時に最高の円高だと思っていても、更に円高が進む可能性もあります。
そういったことから考えて、米国株の長期投資をする場合はあまり円高円安を気にしすぎず、定期的な買い増しで平均値に落ち着かせればいいだけです。
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