米国株 EPSの計算方法
EPSの計算方法は次のとおりです。
当期純利益 ÷ 発行済株数 = EPS(通貨単位)
これでEPSを計算できます。EPSの概略としては、単純に利益を発行株数で割っただけです。EPSの単位は通貨単位で米国株の場合はドルです。PERみたいに何倍とかではありません。
実際にEPSを計算
では実際にEPSを計算してみましょう。以下はコカ・コーラ(KO)の財務サマリーです。
この表を基に2019年のEPSを計算すると次の計算になります。※端数は若干ズレる
8,920 ÷ 4,276 = 2.07ドル(EPS)
英語表記の意味は以下のとおりです。
- Net income|当期純利益
- Shares Outstanding|発行済み株数
- Earnings Per Share(EPS)|一株あたり利益
色々なサイトがありますが、概ねこの英語表記なっているのでそのまま電卓で計算することができます。
通貨単位
米国株の情報が見れるウェブサイトでは、ほとんどがミリオン表記になっています。つまり、100万ドル(1億円)単位です。※1ドル100円計算。なので、表に「21」と書いてあれば、2,100万ドル → 21億円です。
例えば今回例に出しているコカ・コーラ(KO)の2018年の場合ですと、当期純利益は6,434と書いてありますので、6,434=(64億3,400万ドル)なので、6,434億円です。※末端の4が、400万ドル(4億円)
EPSを見るときに意識すること
EPSを見るときに意識すべき点は、毎年安定しているか、または毎年成長しているかどうかです。EPSが毎年安定している、もしくは伸びているのは良いことです。つまり、発行株数が変わらなければ一株当たりの利益が増えてる=会社の純利益が増えていることになります。
しかし、実際はどんなに優良企業であっても年度によって上下はあります。例えば、以下はプロクター・アンド・ギャンブル(PG)の発行株数、EPS、EPS成長率です。
毎年上下はするものの、長い目線で見れば安定しています。教科書どおりに言えば毎年安定して増加していることが望ましいですが、実際はそんな銘柄ほとんどないので通年して安定しているかを見た方がいいです。
EPSと発行株数
EPSと同時に発行株数が減っているかどうかもチェックすると良いです。発行株数が減っているのは、企業が自社株買いをしているからです。例えば上記のプロクター・アンド・ギャンブル(PG)の発行株数は毎年減っているのですが、これは自社株買いをしているからです。
自社株買いをすると、株価とEPSを押し上げるメリットがあります。市場に出回っている発行済株数が少なくなると、株価を押し上げる要因となり、銘柄を保有している投資家は値上がり益を享受できます。また、EPSが上昇すると、PERが下がりますので株価は割安方向に振れます。その結果、新規で買う人も買いやすかったり、配当再投資をする場合にも、理論的に言えば極端に割高なバリエーションで買うことがないので、投資家にとってはメリットです。
マクドナルド(MCD)の例
以下はマクドナルド(MCD)の2006年からの発行株数です。積極的に自社株買いをして株主に還元をしています。
以下はマクドナルドのEPSです。
前述したとおり、EPSは安定しており、発行株数が減っているのが分かります。
下のチャートはマクドナルドの株価です。
こんな感じで、EPSを使って銘柄分析をしたりできます。もちろん銘柄分析はこれが全てではありませんが、基本的なEPSの概念としては覚えておくといいです。
EPSは予想で変わる
ちなみに書いておくと、EPSは予想収益をどれくらいで見るかで変わります。例えば、マクドナルドの来季予想EPSは5.56ドルです。
つまりこれは昨年に比べて、今期は落ち込むと予想されているからです。なので、EPSを見るときは単年ベースで一喜一憂するのではなく、通算してどうかを見た方がいいです。
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