米国株でセクター別のPERについて【平均と目安】

米国株でセクター別のPERについて【平均と目安】 セクター

小野です。

米国株でセクター別のPERについてです。

これから米国株を始めたり、既に米国株投資をしている人の中には、セクター別のPERを知りたいって人もいると思います。

そこで本記事では、セクター別のPERについて書きました。

セクター別のPERや平均、目安を知りたい人は参考にしてください。

米国株でセクター別のPER

米国株でセクター別のPER

では早速ですが、
米国株でセクター別のPERは以下になります。

 セクター別PER一覧

バンガード ブラックロック
1 生活必需品 Consumer Defensive VDC 24.2 KXI 23.01
2 ヘルスケア Healthcare VHT 23.5 IXJ 25.38
3 公益事業 Utilities VPU 19.6 JXI 16.9
4 情報技術 Technology VGT 26.3 IXN 28.14
5 資本財 Industrials VIS 17.4 EXI 16.02
6 エネルギー Energy VDE 20.9 IXC 12.68
7 通信サービス Communication Services VOX 22.6 IXP 21.58
8 一般消費財 Consumer Cyclical VCR 22.9 RXI 18.36
9 金融 Financial VFH 11.7 IXG 8.9
10 素材 Basic Materials VAW 19.9 MXI 16.97
11 不動産 Real Estate IYR 24.74

基本的に米国株でセクター別のPERを見たい場合は、各セクターETFのデータをチェックします。

バンガードは米国籍のみで構成されていて、ブラックロックはETFポートフォリオのうち40%前後は外国籍になります。

なので、米国株オンリーで投資をしている人は、基本的にバンガードのセクターPERで見るといいです。

 

上記の表のデータの出所は当然ですが、バンガードとブラックロックの公式から取得しています。

こんな感じで、上記がセクター別のPERです。

 

S&P500のPER

ちなみに書いておくと、S&P500の平均PERが20倍~25倍なので、どのセクターも市場平均前後で推移しています。

S&P500のPER

ただし、S&P500が完全に正しいPERの市場平均かと言うと、そうでもないです。

そもそもS&P500のセクター内訳として、最も多い順に情報技術、ヘルスケア、通信、一般消費財、金融などの割合が多く、それ以下は少ないです。

 

なので、セクター別のPERを考えるときに、S&P500と比較しても情報技術、ヘルスケアと比較している部分が大きいと覚えておいた方がいいです。

したがって、セクター別でPERを比較する場合、他のセクターやS&P500との比較はある程度の目安程度に考えておきましょう。

 

セクター別PERの割高割安

基本的にセクター別PERを見るときは、概ね現在が平均PERだと考えるべきです。

理由としては、

そもそもETFなので多くの銘柄に分散されていて、そのうえで算出されているPERなので、極端に割高、割安の銘柄は既に平準化されているからです。

例えば、通信セクターの上位に入っているネットフリックスのPERは86.5倍、フェイスブックは32倍だからといって、極端にセクターPERが割高にはならないということです。

 

また、一般消費財セクターも同じで、トップのアマゾンのPERが100倍以上だからといって、そのセクターPERが割高なわけではないです。

複数の銘柄に分散されていますので、そもそもそのセクター内での平均PERになっています。

 

米国株でセクター別PERを使った銘柄分析

米国株でセクター別PERを使った銘柄分析

米国株で、セクター別PERを使って銘柄分析をしたり考えたりする場合は

同一セクターに比べてどうかを見るといいです。

例えば、生活必需品セクター(VDC)のPERは24.2倍です。

それに対してコカ・コーラ(KO)のPERは20.2倍なのでまずまず問題ない範囲だと考えられます。

このようにして、同一セクターに対して割高か割安かをある程度参考にするといいです。

 

市場平均とセクターPERの比較

なので、例えば素材セクターの銘柄を買おうと思っていて、PERを見て割高か割安かを判断するとします。

その場合に、他のセクターやS&P500のPERと比較してもあまり意味ないです。

なぜならば、例えばS&P500の中で素材セクターの割合が最も低いので、いくらそこで比較しても情報技術やヘルスケアと比較しているのと同じだからです。

 

もちろん、市場平均から見てどれくらいのPERかをある程度知っておくのはいいと思います。

しかし、市場平均の中でかなり少ない割合のセクターや、全く違うジャンルと比較するのであれば、それは参考程度にしかならないです。

 

それよりも、同一セクター内のPERで見る方が、シナリオとしては辻褄が合います。

 

PERだけで判断しない

そもそもですが、基本的に銘柄を分析するうえで、割安か割高かを判断するときはPERだけを信用しない方がいいです。

なぜならば、PERが高くてもそれが普通の場合が多いからです。

 

– アマゾンの例

例えば、2014年時点でのアマゾンのPERは650倍でした。しかし、そこから更に株価は上昇して+530%伸びましたが、現在のPERは110倍程度です。

つまり、株価は上昇しているのにPERが下がっているのです。

これはアマゾンの利益が成長し一株益(EPS)が増加しているからです。

このように、企業利益が成長したり予想EPSによって、PERはいくらでも変わります。

 

また、単年ベースでEPSが下がっても株価が変わらなければPERは高くなります。

なので、現在のPERだけを見て割高か割安かを判断するのは実はとても難しいのです。

要は、企業が成長するか、伸びるかなどを考えなければいけないからです。

 

– 優良銘柄の例

また、人気のある優良銘柄の場合は、PERが高くてもそれが普通の場合が多いです。

要は、人気があるので株価が下がらないことで、同セクターと比較してもPERの数字は高いことが多いです。

 

↓例えば、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の現在のPERは63倍です。

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)の現在のPER

同生活必需品セクターの平均PERが24倍程度なので、それから比べるとPER的には割高です。

しかし、PGみたいに人気でいつでも買いたいと思われている銘柄は、PERが割安になるまで待ってから買うなんて人は少ないです。

少しでも株価が下げようものなら、すぐに買いが入りますので買い支えられます。

なので、人気のある銘柄はPERなどシカトして買われる場合も多いです。

 

その裏付け

ちなみにその裏付けとして、PGの2018年のEPSは3.67ドル、2019年は1.43ドルです。

つまり、利益が落ちているのに株価は上がっているという状態なわけです。

要は、利益が落ちてPERが高くなっているのに、投資家は意思決定をして株を買っているのです。

 

相場とは、すべての結論を織り込んでいるので、利益が落ちてPERが高くなっているのに買われるのは、結論からするといつでも欲しいと思われているということです。

 

また、単年で利益が落ち込んでも、単年ベースで一喜一憂せずに長い目線で見てる人が多いということです。

 

市場は正しい

そんな感じで、PERだけで判断するのはナンセンスです。

よく分かってない人に限って、目先のPERだけを見て数字が大きいから「割高だ」と判断したりしますが、必ずしもそれだけではないということです。

いつ何時でも「割高だ~割高だ~」と言っている、なんでも割高バイアスにかかっている人もたくさんいますが、いつまでもそれを言ってても一生株を買えません。

 

したがって、ある程度優良名柄であれば、セクターPERや市場平均とのPERを気にしすぎない方がいいです。

それよりも、すでに相場が意思決定をしているので、まずはそれが正しいと一旦認めて考える方がいいです。

だって、いくら文句を言っても相場は変えれません。

 

PERを複雑に考えるよりも、PERが割高だろうと何だろうと株価が上がってくれる銘柄であればそれでいいわけです。

 

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