米国株でPERの目安と過去平均【推移から考える結論】

米国株でPERの目安と過去平均【推移から考える結論】 基礎知識

小野です。

米国株でPERの目安と過去平均についてです。

これから米国株を始めたり、既に米国株投資をしている人の中にも、実際のところ米国株のPERの目安はどれくらいか知りたい人も多いと思います。

そこで本記事では、米国株でPERの目安について書きました。

ある程度平均PERを知っておきたい人は、参考にしてください。

米国株でPERの目安と過去平均

米国株でPERの目安と過去平均

では早速ですが、
米国株でPERの目安として、結論からすると

20倍~25倍前後です。

その根拠として、以下はS&P500の過去平均PERです。

Year PER
10年平均 2019~2009 25.55
20年平均 2019~1999 26.11
30年平均 2019~1989 24.09

↓5年単位で見ると以下になります。

Year PER
2019~2015 22.55
2014~2010 16.79
2009~2005 34.73
2004~2000 29.37
1999~1995 23.19
1994~1990 20
1989~1985 14.58
1984~1980 9.5

米国株でPERの目安と過去平均

S&P 500 PE Ratio – 90 Year Historical Chart

このように、過去PERを参考にすると現在であれば約23倍なので、概ね適正目安PERだと言えます。

ただし、グロース株で銘柄によってはこれよりもはるかに高いPERの場合が多です。

また、これから米国株を買おうと思っている人は、数回に分けて購入すれば結局はPERの平均値で買うことになりますので、あまり神経質に気にしなくても大丈夫です。

難しい分析をし過ぎない

ここで一つ覚えておいた方がいいのは、
難しい分析や予測をし過ぎない方がいいです。

なぜかと言うと、難しい分析や予測をしても相場は変えれないからです。

なので、いくら「PERが割高すぎる。10倍が適正だ。」と考えたとしても、相場はアナタに合わせて動いてくれないので意味ないです。

それよりも、現在相場のPERは過去平均なので、それが普通だとまずは認めて相場に合わせた動きをする方がいいです。

じゃないといつまでたっても株を買えません。

なのでぶっちゃけ、じゃあ今からPERが10倍まで下がるにはEPSはそのままでS&P500株価が大暴落しないと無理じゃないですか。

でもそんなこと起こりませんよね。

なので、相場に合わせてまずまずのPERで平均値目安で株を購入するといいです。

また、5年単位で見ると1980年代よりも平均PERが上がってきています。これはつまり米国全体の成長と比例していると言えるでしょう。

 

リセッション

チャート見ると分かりますが薄グレーの部分はリセッション(景気後退)です。

特にリーマンショックのときは、一時的にPER100倍以上にもなっていますが、これは株が売られるよりも更に利益の減少の方が大きかったので、EPSが下がりPERが高くなっています。

↓以下のグラフは、S&P500のEPSのグラフになりますが、リーマンショック時に大きく下げているのが分かります。(2008~2009)

S&P500のEPSのグラフ

このように、株式市場が暴落している相場においては、株価は投げ売りされ、企業利益の予想は大幅に下がりと、あまりPERを気にしても意味ない相場になります。

要はパニック相場なので、通常のPERで判断することができないです。

 

米国株のPERの見方

一応米国株のPERの見方について書いておきます。

ここで言うのは、個別株ではなく指標であるダウ30とS&P500です。

以下のウォールストリートジャーナルのページで見れます。
≫WSJ|P/Es & Yields on Major Indexes

↓こんな感じで赤枠の中にPERを確認できます。

米国株のPERの見方

 

PERを目安にした米国株の売買

PERを目安にした米国株の売買

では実際に、
PERを目安にして米国株を売買する場合について考えます。

これから実際に米国株を買ったり、狙っている銘柄がある人もいると思いますが、

買おうと思っている銘柄のPERが高い場合は待った方がいいのでしょうか?

↓例えば、日用品世界最大手プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のPERは現在62.3倍です。

プロクター・アンド・ギャンブル(PG)のPER

S&P500のPERの目安が23倍と考えたとすると、かなり割高に感じます。

結論

結論からすると、

待たずに買った方がいい場合が多いです。

その理由としては以下になります。

  • 優良銘柄は下がらない
  • 相場は思惑通りに動かない

上記の理由を簡単に解説します。

優良銘柄は下がらない

まず基本的に、優良銘柄は誰もが欲しいと思っているので、PERが高くても株価が下がって来ませんので、いつまでも待っててもムダです。

少しでも下げようなら、すぐに買いが入って来ますのですぐに反発します。

また、上記の例でPGのPERが23倍くらいになるには、株価が43ドルまで下がらないといけないので、現在の株価から半値以下になる必要があります。

つまりそんなことまず起こりません。

また、株価はそのままでPERが23倍になるにはEPSが5ドルになる必要がありますが、いきなりそんなに利益は増えませんので、それもかなり厳しい話です。

そういった面から考えても、PERが高くても優良銘柄は株価が下がって来ませんので、いつまでも待っていても時間のムダであるわけです。

相場は思惑通りに動かない

相場は必ずしも自分の思惑通りには動きません。

なので、買おうと思っている銘柄のPERが割高だと思って「株価が下がってから買おう」と思ったとします。

しかし、優良銘柄は下がって来ない場合が多いので機会損失を被ることにもなりかねません。

↓例えば、以下はある有望なグロース株のチャートです。

有望なグロース株のチャート

この時点で、無配でPER217倍、誰が見てもグロース株です。

このチャートを見ると、多くの人は
スッ高値すぎるから下がってから買おう」と思うはずです。

 

↓しかし、このグロース株はその後こうなりました。

このグロース株はその後こうなりました

この銘柄はネットフリックス(NFLX)です。

ネットフリックスはA地点から更に最高値を更新し続けています。

このことから分かるように、いくら相場を予想しても自分の思惑通りには動きません。

なので、いくらPERが高くてもいい銘柄は下がって来ない場合が多いのが現実です。

後からPERが下がるパターンも多い

また、株価が上昇していても、後からPERが下がる場合があります。

それは企業の利益が増加してEPSが増える場合です。

ネットフリックスのPERは現在84倍なので、A地点217倍からはかなり下がっています。

株価は上がっているのに、PERが下がっている理由としては会社の一株利益、つまりEPSが増加しているからです。

なので、目先のPERの数字だけにフォーカスしても全く意味がありません。

企業利益が成長すれば株価が上がりつつもPERは下がります。

つまり最初は割高だと思っていても、後から割安方面に向かうのです。

ちなみにアマゾンもPER650倍だったのが、現在110倍くらいです。

したがって、買いたい銘柄であれば、そこそこの市場価格のPERを目安にして、現在価格で購入していけばいいと思います。

 

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