米国株・生活必需品セクターについて【完全版】

米国株・生活必需品セクターについて【完全版】 セクター

小野です。

米国株で生活必需品セクターについてです。

これから米国株を始めたり、すでに米国株投資をしている人の中にも、生活必需品セクターについて、ある程度知りたいって人も多いと思います。

特徴なども気になりますよね。

 

そこで本記事では、米国株で生活必需品セクターについて書きました。

生活必需品セクターを極めたい人は、参考にしてください。

米国株・生活必需品セクター

米国株・生活必需品セクター

では早速ですが、
米国株の生活必需品セクターについて、以下の内容を書いていきます。

 生活必需品セクター

  1. 特徴
  2. 概要・ETF
  3. トップ20銘柄
  4. 生活必需品セクター vs S&P500
  5. 生活必需品セクタートップ10 vs S&P500
  6. 騰落率

これらの情報を知っておけば、基本的な生活必需品セクターの内容は把握できると思います。

また、結論からすると米国生活必需品セクターはかなり優秀なセクターので、とてもおすすです。

私のポートフォリオも30%は生活必需品セクターにしています。

 

1. 特徴

まず、
基本的な生活必需品セクターの特徴としては以下になります。

 生活必需品セクターの特徴

  • チャートが安定している
  • ボラティリィが低く、大きく下落しない
  • 不況に強いディフェンシブなセクター
  • 高配当、連続増配銘柄が多い
  • 聞いたことある企業が多い
  • S&P500を上回る実績
  • 情報技術のような超高騰はあまりしない

上記の特徴があります。

 

1-1. 不況に強い

生活必需品セクターは、不況時にも必ず消費させる商品のセクターなので、景気が不況であっても国民に必要とされます。

例えば、不景気であっても国民はシャンプーを買うし、コーラも飲むし、食品を買ったり、お菓子を買ったり、髭剃りも買います。

このようにして、生活必需品セクターは国民にとって、無くては困るセクターなので、非常に安定していて常に需要がある強いセクターと言えます。

まさに不況にも耐えうるディフェンシブなセクターなわけです。

 

1-2. 配当

配当に関しても、比較的高配当利回り、連続増配銘柄が多いので、配当を再投資しながら資産を拡大させていくスタイルの長期運用には向いています。

例えば、コカ・コーラ(KO)は連続増配57年、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)は63年増配を続けています。

このような連続増配銘柄を保有して、配当を再投資することによって莫大なリターンを得ることができます。

 

2. 概要・ETF

生活必需品セクターは、米国全11セクターのうちの1つです。

英語表記は以下になります。

  • Consumer Staples
  • Consumer Defensive

サイトによって、表記に違いがありますが上記の2パターンの英語表記がほとんどです。

 

2-1. 銘柄数

所属 銘柄数
米国生活必需品セクター 205
S&P500 36
ダウ30 3
生活必需品セクターETF(VDC) 93
生活必需品セクターETF(KXI) 92

現在、米国に上場している生活必需品セクターの全銘柄数は205銘柄です。

そのうち、S&P500に含まれるのは36銘柄です。

ダウ30に選ばれている生活必需品セクターの銘柄は、以下になります。

  • ウォルマート(WMT)
  • プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
  • コカ・コーラ(KO)

世界のマーケットの中心である米国ダウ30に選ばれている、これら3銘柄は世界を代表する生活必需品セクターの銘柄と言えるでしょう。

 

2-2. 生活必需品セクターETF

主な生活必需品セクターETFとしては、以下があります。

  • バンガード:VDC
  • ブラックロック:KXI

基本的に生活必需品セクターETFを検討する場合は、このどちらかで検討すれば大丈夫です。

2つのETFの概要は以下になります。

 ETFの概要

バンガード ブラックロック
バンガード ブラックロック
ETF VDC KXI
国籍 米国 グローバル
銘柄数 93 92
経費率 0.100% 0.460%
設定日 2004年1月 2006年9月
直近利回り 3.02 2.32%
直近10年リターン 10.66% 7.56%
直近5年リターン 6.11% 3.29%
純資産総額 5.18B 663M

基本的にバンガードは米国籍のみ、ブラックロックは米国外の企業も組み込んでいます。

セクターETFの構成割合は時価総額の大きい順に並んでいます。

 

2-3. セクター内構成比率

生活必需品セクターの中でも、更にカテゴリー比率は以下になっています。

セクター VDC
家庭用品 24.20%
清涼飲料 20.80%
包装食品・肉 17.30%
大型スーパーマーケット・スーパーマーケット 14.00%
タバコ 8.20%
パーソナル用品 3.20%
蒸留酒・ワイン 2.60%
食品小売 2.40%
食品流通 2.30%
農産物 2.20%
薬品小売 2.00%
醸造 0.80%
100%

2-4. 生活必需品セクターのPER

生活必需品セクターのPERは以下になります。

バンガード ブラックロック
生活必需品 Consumer Defensive VDC 24.2 KXI 23.01

もちろん、時期によって変わりますが、概ね24倍前後です。

ちなみに、S&P500の直近30年の平均PERは20倍~25倍なので、生活必需品セクターのPERは、普通だと言えます。

 

3. トップ20銘柄

米国生活必需品セクターのトップ20銘柄は以下になります。
※米国籍のみ

また、直近の配当利回りと連続増配年数も書いておきました。

米国生活必需品セクター 上位銘柄
Name Ticker 利回り 増配年数
1 Procter & Gamble Co. PG 2.80% 63
2 Coca-Cola Co. KO 3.66% 57
3 PepsiCo Inc. PEP 3.13% 47
4 Walmart Inc. WMT 1.75% 45
5 Costco Wholesale Corp. COST 0.91% 16
6 Philip Morris International Inc. PM 6.55% 12
7 Mondelez International Inc. Class A MDLZ 2.19% 6
8 Altria Group Inc. MO 8.60% 11
9 Colgate-Palmolive Co. CL 2.56% 56
10 Kimberly-Clark Corp. KMB 3.03% 47
11 Estee Lauder Cos. Inc. Class A EL 0.96% 6
12 General Mills Inc. GIS 3.08% 15
13 Walgreens Boots Alliance Inc. WBA 4.26% 44
14 Sysco Corp. SYY 3.26% 49
15 Kroger Co. KR 1.97% 11
16 Constellation Brands Inc. Class A STZ 1.74% 4
17 Monster Beverage Corp. MNST
18 Clorox Co. CLX 2.10% 42
19 Archer-Daniels-Midland Co. ADM 3.70% 44
20 Kraft Heinz Co. KHC 5.26% 5

3-1. 有名企業が多い

米国生活必需品セクターの企業は聞いたことのある会社が多いです。

例えば、プロクター・アンド・ギャンブルはP&Gです。日本でもシャンプーやファブリーズを使っている人も多いです。

コカ・コーラ(KO)はもはや説明不要ですし、ペプシコ(PEP)はペプシコーラです。

その他にも、コストコ(スーパー)、フィリップモリス(タバコ)、エスティーローダー(化粧品)、モンスター(エナジードリンク)など日本でも知っている企業が多いす。

なので、米国株投資をする場合は生活必需品セクターの銘柄を選ぶのは、知っている企業に投資することなので、心強いです。

 

4. 生活必需品セクター vs S&P500

生活必需品セクター vs S&P500です。

ブラックロックKXIが設定された2006年から現在までの比較です。

生活必需品セクター vs S&P500

ちなみに、この比較は最初に10,000ドル投資して、現在まで配当を再投資していた場合のトータルリターンです。

結果、バンガード生活必需品セクターVDC(米国籍)が1位で+223%、2位はS&P500で+180%、3位はブラックロックKXI(多国籍)+160%となりました。

つまり、米国籍だけの生活必需品セクターは直近14年でS&P500を上回りました。

 

4-1. 下落に強い

また、上記のグラフを見て分かりますが生活必需品セクターはリーマンショックのときでも、大きく下落しなかったので、後のリターンを大きくしています。

つまり、強気相場ではまずまずだったとしても、暴落調整局面で大きく下げないので長期で保有していると、結果的に大きなリターンになります。

 

5. 生活必需品セクタートップ10 vs S&P500

米国生活必需品セクタートップ10 vs S&P500です。

1990年から現在までをテストするため、1990年以降に上場をしている、PM、MDLZ、ELを除いたトップ10銘柄です。

↓銘柄は以下になります。

Ticker Name 割合 直近
利回り
増配
年数
1 PG Procter & Gamble Company 10.00% 2.80% 63
2 KO Coca-Cola Company 10.00% 3.66% 57
3 PEP Pepsico Inc 10.00% 3.13% 47
4 WMT Walmart Inc 10.00% 1.75% 45
5 COST Costco Wholesale Corporation 10.00% 0.91% 16
6 MO Altria Group 10.00% 8.60% 11
7 CL Colgate-Palmolive Company 10.00% 2.56% 56
8 KMB Kimberly-Clark Corporation 10.00% 3.03% 47
9 GIS General Mills, Inc. 10.00% 3.08% 15
10 WBA Walgreens Boots Alliance, Inc. 10.00% 4.26% 44

米国生活必需品セクタートップ10 vs S&P500

結果、生活必需品セクタートップ10は1990年から現在までで、S&P500を完全にぶっちぎりで上回っています。

10銘柄のポートフォリオは+3916%、S&P500は+1486%となりました。

ちなみにこれは、最初に10,000ドルを投資して、追加投資なしで配当を再投資していた場合です。

つまり、最初に投じた10,000ドル(約100万円)は、現在までに4000万円以上になっています。

ちなみに、最初に投資したのが1,000万円であれば、現在4億円です。

 

5-1. 連続増配と値上がり益

ちなみに、なぜこのように大きなリターンを得れるかと言うと、

連続増配と値上がり益のダブルで複利の効果が効いてくるからです。

連続増配銘柄で配当再投資をすることによって、保有株数が増えますので増やせば増やすほど次回の配当も増えていきます。

また、株価も上昇することによって大きな含み益を得ることになります。

例えば、一株100ドルの株を一株だけ保有していて、10%値上がりしたら110ドルで10ドルの含み益になります。
しかし、十株保有している場合は、1100ドルとなり、含み益は10倍になります。

このように、配当による複利と値上がり益をダブルで得ることによって、大きなリターンになります。

生活必需品セクターの銘柄は、連続増配で株価も安定している銘柄がたくさんありますので心強いです。

 

6. 騰落率

米国生活必需品セクターの騰落率です。

期間を長く測定するため、先ほどの生活必需品セクタートップ10のポートフォリオで見ています。

結論からすると、生活必需品セクターは全11セクターの中で、最も下落耐性が強いです。

例えば、リーマンショックのときも-25%~-29%程度、今回のコロナなんかは-10%~-15%程度の下落で済んでいます。

生活必需品セクターの騰落率
1 2007年12月 2009年2月 1年3ヶ月 2009年11月 9ヶ月 2年 -25.20%
2 2002年4月 2003年2月 11ヶ月 2004年2月 1年 1年11ヶ月 -19.65%
3 2018年2月 2018年5月 4ヶ月 2019年3月 10ヶ月 1年2ヶ月 -14.78%
4 1998年7月 1998年8月 2ヶ月 1998年10月 2ヶ月 4ヶ月 -14.42%
5 1992年12月 1993年7月 8ヶ月 1995年2月 1年7ヶ月 2年3ヶ月 -14.34%
6 2000年1月 2000年2月 2ヶ月 2000年10月 8ヶ月 10ヶ月 -13.75%
7 1990年8月 1990年9月 2ヶ月 1990年11月 2ヶ月 4ヶ月 -12.65%
8 1990年1月 1990年2月 2ヶ月 1990年5月 3ヶ月 5ヶ月 -10.38%
9 2020年2月 2020年3月 2ヶ月 -10.29%
10 2001年1月 2001年4月 4ヶ月 2002年1月 9ヶ月 1年1ヶ月 -9.44%
暴落要因 開始 終わり トップ10銘柄 S&P500
アジア危機 1997年7月 1998年1月 -8.60% -5.61%
ロシアの債務不履行 1998年7月 1998年10月 -14.42% -15.38%
Dotcomクラッシュ 2000年3月 2002年10月 -14.34% -44.82%
サブプライム危機 2007年11月 2009年3月 -25.20% -50.97%

 

米国生活必需品セクターの騰落率

この10銘柄のポートフォリオであれば、リーマンショックであっても、-25%程度の下落で、2年で回復して最高値を更新しています。

ちなみに、S&P500はリーマンショック時に-50%の下落で、その後高値更新まで4年10か月かかりました。

また、その時の金融セクターは-74%の下落で、高値更新までなんと9年6か月かかっています。

 

6-1. 騰落率が低い理由

生活必需品セクターの騰落率が低い理由としては、やはり生活必需品は景気に関係なく必要だということ。

もう一つは、配当を出す優良銘柄の株価が下がっているときは、オイシイ相場なので買い支えられて下がりにくいです。

例えば、連続増配銘柄のコカ・コーラ(KO)やプロクター・アンド・ギャンブル(PG)が大きく下げると、配当利回りが高くなって、割安で仕込むチャンスなわけです。

そのうえで、更に増配もしますので、少しでも株価が下がれば買いたい人がたくさんいるのです。

こういったことが重なり、下落率が低くなると言えます。

 

生活必需品セクターをポートフォリオに組み込む例

生活必需品セクターをポートフォリオに組み込む例

生活必需品セクターをポートフォリオに組み込む例です。

例えば、上記は私のポートフォリオのセクター割合になりますが、生活必需品の基本べースは30%にしています。

なので、参考例としてはこんな感じで自分のポートフォリオに組み入れてもいいと思います。

 

生活必需品セクター以外のディフェンシブ

生活必需品以外のディフェンシブなセクターとしては、以下になります。

  • ヘルスケア
  • 公益事業
  • 通信

これらのセクターは、生活必需品と同じく4つの景気局面のうち、不況に強いディフェンシブセクターです。

なので、ポートフォリオをディフェンシブ配当中心で構築したい場合は、生活必需品セクター以外にも、ヘルスケア、公益事業を使うとセクターの偏らずにバランスがとれます。

 

 

 

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