小野です。
米国株でセクターを分散させることの重要性についてです。
米国株でポートフォリオを構築するときに、セクターは分散させた方がいいのかどうか気になる人もいると思います。
また、具体的にはどのように分散させればいいのか知っておきたい人もいますよね。
そこで本記事では、セクターを分散させることの重要性について書きました。
分散を極めたい人は、参考にしてください。
米国株でセクターを分散させる重要性
米国株でセクターを分散させることは非常に重要です。
結論からすると、その理由としては、
特定のセクターに偏らせないことによって、4つの景気局面での値動きを平均化し、バランスよく投資ができるからです。
要は、各景気局面において各セクターによっての動きが違うので、バランスよく各セクターを持っておくと自分のポートフォリオの動きの偏りを平準化できるわけです。
景気循環
↓例えば、景気循環とは以下になります。
こういった景気循環の中では、各セクターによって違う動きになります。
例えば、消費財セクターは好景気では物が売れますので強いですが、不況になると人々が消費を抑えようとしますので弱くなります。
一方で、生活必需品セクターなどは景気の良し悪しにかかわらず、国民に必ず消費されます。
ちなみにマクドナルド(MCD)は唯一、一般消費財セクターの中でも不況に強いです。
また、景気が悪くても国民は携帯電話やパソコンを使いますので回線、ネット通信は強いです。
このように、各セクターによって特徴がありますので、一つのセクターだけ保有するよりも各セクターに分散してポートフォリオをデザインする方が安定すると言えます。
実際の例
実際の例で、今回のコロナショックで生活必需品セクター(VDC)とヘルスケアセクター(VHT)、エネルギーセクター(VDE)がどれくらい下落したか比べました。
このように、エネルギーセクターが約54%下落しているのに対し、生活必需品セクターは約27%、ヘルスケアセクターは約25.5%の下落にとどまっているが分かります。
↓また、以下はリーマンショックのときのチャートです。
リーマンショックのときは、言うまでもなく金融株が大暴落していいます。
それぞれの直近最高値からの下落率としては、以下になります。
- 生活必需品セクター 約-37.2%
- ヘルスケアセクター 約-40.3%
- ダウ平均 約-53.5%
- 金融セクター 約-80.2%
- エネルギーセクター 約-60%
このように、ディフェンシブ銘柄である生活必需、ヘルスケアセクターがいかに強いかが分かります。
セクターの分散は重要
こんな感じで、各セクターによって動きが違ってくるので、やはりセクターを分散させることは非常に大切だと言えます。
例えば、リーマンショックで言えば金融銘柄に集中して投資をしているよりも、生活必需品、ヘルスケアなどに分散させて投資をしていた方が、ポートフォリオ全体の下落率を抑えられました。
このように、セクターを分散させることによって全体のボラティリティを下げることができます。
米国株でセクターを分散させる例
米国株で、実際にセクターを分散させる例です。
一言で分散と言っても、
- ディフェンシブ、配当重視
- 株価値上がり益、リターン重視
などによって変わりますが、ある程度私の方で紹介します。
分散の割合について決まりはありませんので、自分の好きなように組入れます。
ディフェンシブ、配当重視
例えば、不況に強いディフェンシブ銘柄と配当を重視するとこんな感じです。
ちなみにこれは私のポートフォリオです。
私の場合ですと、不況に強いディフェンシブ銘柄が60%を占めていて、生活必需品、ヘルスケア、公益事業を合わせて60%になります。
また、配当については、VYM、生活必需品、ヘルスケア、公益事業が割と高配当銘柄になり、ディフェンシブ+高配当としても組み込んであります。
一方で、株価の値上がり益を期待できるのは情報技術、S&P500、になります。
しかし、私の場合は株価の値上がり益はそこまで重要視していないのと、配当が低い銘柄は少なくするようにしていますので2つの銘柄にしていいます。
また、セクター別のETFを使うことによって個別よりもリスクが低くなっています。
とは言え、情報技術には勝てませんが、各セクターは当然ですが右肩上がりを続けています。
なので、このようなポートフォリオの場合は、
値上がり益はゆっくりだけど、確実に不況に強く配当を再投資しながら保有していく長期投資家に向いていると思います。
株価値上がり益、リターン重視
逆に、値上がり益重視のポートフォリオになります。
あくまでも参考例ですが、こんな感じです。
大きく値上り益を狙えるのはやはり、S&P500、情報技術(VGT)、ヘルスケア(VHT)ですね。
そして、最強のインデックスであるS&P500を多くすることでポートフォリオの柱が安定します。
↓ちなみに驚くかもしれませんが、直近10年でS&P500をぶっちぎりで上回っていたのはVGTです。
また、意外かもしれませんがヘルスケアセクターもS&P500をおおきくアウトパフォームしています。
コロナショック前水準で、VGT+425%、VHT+279%、S&P500+206%となりました。
つまり、10年前に1,000万円をこのどれかに投じていれば寝ているだけで、最低でも2000万円、最高で4,000万円になっていたわけです。
米国は最強ですね。
なので、こんな感じのポートフォリオの場合は大きな値上がり益を狙えると言えます。
逆に、値上がり益を狙う場合は配当利回りが低い傾向がありますので、配当再投資重視のスタイルは少し難しいかもしれません。
つまり、このような場合は株を売却して含み益を現金化しないと、実際のリターンが確定しないのが配当金重視の戦略と違うところです。
分散させる銘柄数
分散させる銘柄数については、多くても15銘柄くらいまでで大丈夫です。
あまり銘柄を増やし過ぎても管理できませんし、銘柄が多すぎるとリバランスがしにくいです。
また、あまりにも多くの個別銘柄を保有するくらいだったら、ETFにした方が賢明です。
詳しくは、米国株で分散させる銘柄数の結論【勝ち組のポートフォリオ】で書いています。
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